積集合(直積)と対角集合
続いて、集合\(A\)と\(B\)があるとします。このとき、\(A\)の元\(x\)と\(B\)の元\(y\)のペア\((x, y)\)全部の集合を、\(A\)と\(B\)の積集合または直積といって、次のようにかきます。
例えば、\(A = \{1, 3\}\)で\(B = \{2, 4\}\)のときは\(A \times B = \{(1, 2), (1, 4), (3, 2), (3, 4)\}\)です。このとき、\(B \times A = \{(2, 1), (4, 1), (2, 3), (4, 3)\}\)なわけですから、一般に\(A \times B \neq B \times A\)であることに注意してください。
話を一般化しましょう。集合\(A_1, A_2, \cdots , A_n\)があるとします。このとき、\(A_i(1 \le i \le n)\)の元\(x_i\)たちによる\(n\)ペア\((x_1, x_2, \cdots , x_n)\)全部の集合を次のようにかきます。
特に、同じ集合どうしの直積の場合は\(A^n(n=1, 2, 3, \cdots)\)とかきます。
例えば\(A = \{2, 4\}\)のときは、
です。
もうひとつ例を挙げると、\(A_1 = \{1, 4\}, A_2 = \{2, 5\}, A_3 = \{3, 6\}\)のときは、
です。
また、\(A^n\)の部分集合\(\{(x, x, \cdots , x) \: ; x \in A \}\)は対角集合と呼ばれます。
冪(べき)集合
集合\(A\)があるとします。このとき、\(A\)部分集合の全体を\(A\)の冪集合といい、\(\mathscr{P}(A)\)とかきます。
空集合\(\emptyset\)と\(A\)自身も\(A\)の部分集合であることに注意してください、したがって、\(\emptyset \in \mathscr{P}(A)\)かつ\(A \in \mathscr{P}(A)\)です。
例えば\(A = \{1, 2\}\)のとき、\(\mathscr{P}(A) = \{\emptyset , \{1\}, \{2\}, \{1, 2\}\}\)です。